前田利鎌 臨済・荘子

日本のアウトサイダー的著作かな。臨済荘子その他の、著者の考える宗教的人間――つまりは自由人の生き様を、清冽で力強い言葉の数々で明かしていく。軽々と人の世を超えて自由へと至る彼らの魅力的な――悪魔的な哄笑の数々が眼前に蘇ってくる。この人語を絶する笑いこそが、自由人に共通して存在する、という指摘はなるほどと思った。臨済打爺なんか、はじめて聞いた時これはなにかのコントなの? と思ったものだ。荘子と恵子のコンビも愉快だしね。