きのうのMステ

前々から気になってたけど、エビ中もいいね。
あれだけ奇をてらった、というよりその奇すらも突き抜けてアイロニーさえ感じさせるメタな楽曲を、なんの屈託もてらいもなく楽しげに歌い踊るその姿は、なんというか衝撃的。これこそが現代のアイドルの強さであり、魅力である!とあんまり詳しくもないのに、いろいろなことを考えてしまった。おもしろい。

さっそく中人と金八というアルバムをウィッシュリストに載せておくが、今月はでこぼこなったフローリングを張り直してお金がないのでいつ買うのかわからないのが貧乏人のつらいところ。

ところで複数のアイドルを支持することをDD(誰でも大好き)といい、忠誠心がないと非難されることもあるようであるが、100年に1人といわれる芸術家が同じ時代に集中することも珍しくないことからいうと、この現代の多様性あふれる、成熟した日本のアイドルシーンでも同じことがいえて、優れたシーンがあるところには次々と優れたコンテンツが生まれるものなのであり、つまりDDとは必然的にそうなる、歴史上の必然といえるのである。

もちろん忠誠心を高めることで得られる恍惚感も捨てがたいものがある。ただ、一方でマノウォーを買い、偽メタルに死をポーザーどもに死をと叫びつつも、一方でモダンヘヴィ、ラップメタルオルタナの名盤を買うという自由もまた視聴者には残されている。そしてそれこそが僕にとってはコンテンツを最大限に楽しむ方法である。矛盾していようがいまいが、ただエンタメとして楽しめればそれでいい。もちろん思想としての音楽を否定するものではないが、それと引き換えにやたら不寛容になるのもイヤなので。


そしてBABYMETALである。ますます海外人気が高まって、ただの期間限定プロジェクトとはいえぬまでに成長したコンテンツを、どのように発展させるのか注目している。ヨーロッパでは、もともとゴシックメタルなどで女性ボーカルは人気があって、さらに最近ではよりエクストリームなメタルの分野でも女性進出が目立ちメディアの注目も受けやすかった、そこに登場したのがティーンの若いBABYMETALで、もともとヨーロッパ自体には受け入れられる土壌はあったように思う。ただアメリカはどうなのだろう。楽曲的にはかなりアメリカナイズされた音もあるから、うまくいってるんだろうか。とはいえ新曲はオーセンティックなメロスピだから、どうなることやら。こうなったら高いアメリカの壁を打ち崩すまでに成長してほしい。

最後は当然ももクロ VS KISSである。はじめ発表されたときは、あーKISSは客寄せにももクロ使うんだなーと、KISSがビジネスに徹した結果だと思って釈然としなかったが、したたかな日本のプロデューサがそれを対等なものまで持って行ったというかんじで、思ったよりおもしろい仕上がりになっている。KISSもビジネスライクというかんじではなく、ももクロを受け入れているようでよかった。楽曲は、音が軽いミックスである以外はなかなかよい。ライブで超盛り上がりそう。

ももクロにこれをきっかけに海外人気も、という声もある。当然、そうなってほしいけど、どうしても海外人気となるとそっちの流行に合わせなきゃなくなるから(特にアメリカ)、なかなか難しいだろう。BABYMETALはもともとカリカチュアライズされたメタルカルチャーという文脈を持ってるから、海外では強い。ももクロは昭和文化だからなあ。