創造力の源泉――スティーヴン・ラバージ「明晰夢 夢見の技法」

明晰夢―夢見の技法

夜が来た
いま、すべての湧き出づる泉は、その声を高め
わが魂もまた、湧き出づる泉となる

――フリードリヒ・ニーチェ(うろ覚え名言より)



脳科学が進歩し、夢の機能的な側面についても、おおまかなところがわかってきたそうな。

特に明晰夢についての研究が面白い。
夢と認識しながら、明確な意識を保ちつつ、夢のなかで自由に振る舞えるというのが明晰夢である。

僕も何度か見たことがある。もちろん、こういう夢を見ることは少ない。ふつうは、夢を全く覚えていないか、ぼんやりと、わけのわからない夢を見た、ということしか覚えてない。

まず明晰夢なんて見てどうすんの、という意見があるだろう。
明晰夢は抜群に面白い。これだけでも充分価値がある。自分の内なる世界が、非常なリアリティをともなって垣間見えるのだ。人間の創造性に関する洞察も得られる。見て損はない。

それに、夢は感情的な処理を行っているともいう。なにかに追いかけられたり、闘っていたりといった夢は非常に多い。夢は生存のためのリハーサルで、夢の中で解決策を模索しているという説もある。

夢が提示する感情的な問題を解決できずに目覚めると、目覚めが非常に悪くなるという。うつ病患者は非常にネガティブな夢を見る。解決策も提示されず、ネガティブな結末になる。この悪循環に苦しめられ、うつ状態がますます悪化し、たいてい不眠になってしまうという。

夢の中で、自在にものごとを変更できるということは、現実の行動にも影響を及ぼす。ネガティブな結末をポジティブなものに変えようとする意志は、現実でも夢でも、そう変わることがないのだ。

つまるところ、現実も夢も、脳の中で発生する現象をもとにしている。明晰夢を見ようとする訓練も、現実に対する肯定的な感情を育てるのに役立つと思われる。

創造に関するヒントが、夢のなかで与えられるケースもある。映画監督や小説家、画家などの芸術家のみならず、科学者や技術者まで、創造的な人間は夢をよく見るという報告まである。

明晰夢の見方

簡単にまとめてみる。

○普段よりも1,2時間早く起き
(夢を見るより難しいことかもしれないね!)

 30〜60分起きていて
(すぐに寝るなよ!)

 その後二度寝する。
(昼すぎまで寝ないように!)

 明晰夢を見る確率が二、三十倍になる。
(ほんとかよ!)

○リアリティーテスト
・起床時
 「これは夢か現実か」と起きている間でも自分に問いかける。寝る前にも「夢を見ているときも意識を保つぞ」と言い聞かせる。
(あやしい人間に見られないように注意しようね!)

・夢見時
 活字、時計に注目する。
 数字や文字は、ころころ変化しやすいため、
 夢だと気づく可能性が高まる。
 気づくことで目覚めそうになると、
 まっさきに視覚的イメージが崩れ出す。
 それを止めるには、すぐに他の感覚に意識を向ける。
 たとえば手をこすり合わせる、まわりのなにかに触るなど。
 なかでも自分がコマのように回転するのが有効。

これは僕も明晰夢の中で経験したけど、本を読もうとすると意味が取れないんだよね。強い印象だけは残るけど、内容は残らない。文字が回転したり溶けたり入れ替わったりする。



かなり本気で訓練しないとだめらしい。
まあ見れたら面白いだろうけど。めんどいなこれ。