2012-08-09から1日間の記事一覧

近世ヨーロッパへのいざない 中級編:歴史、とくに軍事史の本の紹介1

今、W・H・マクニールの世界史が人気らしい。 ご多分にもれず、僕もこういうマクロ史観の歴史本が好きだ。特にマクニールは、広い視野に、鋭い視点、新たな問題提起と――どこから読んでも新しい発見がある。それにマクニールの文章は、厭世家のそれではなく希…

感動って何なのだろう――フォレスト・カーター「リトル・トリー」と瀬名秀明「八月の博物館」との関連性

「リトル・トリー」や「ジェロニモ」にものすごく感動した自分にとっては衝撃的な記事を見つけてしまった。インディアンの少年の成長を描いたリトル・トリー、英雄ジェロニモの生涯を描いた「ジェロニモ」の作者フォレスト・カーターはKKK(クー・クラッ…

ユング派の泰斗による、大人になれない子どもの分析――星の王子さまとM・L・フォン・フランツ/永遠の少年

サン・テグジュペリの星の王子さまを読んだことがなかったので、読んでみた。せつないかんじで、とてもいい。じつは永遠の少年(プエル・エテルヌス)という題材を扱ったユング派分析家M・L・フォン・フランツの著書を読むため、予備知識のために読んだの…

心の叫びをみつけだす――グレッグ・M・ファース/絵が語る秘密

ユング心理学系の本を読みあさっていたのだが、これはいいなと思う本があったので紹介してみる。グレッグ・M・ファース/絵が語る秘密 ユング派分析家による絵画療法の手引きである。絵画療法とは、病気によって死を目前に控えた子供たちの、 心理療法とし…