アラン・ムーア/フロム・ヘル読んだぞ〜

※ねたばれあり 読みすすめるうちに本のかおりが血の匂いへと変容し、その匂いにあてられて、めまいがしてくるような濃厚な狂気――ねじれた理性とでもいおうか――に満ち満ちた、切り裂きジャック幻想怪奇譚である。アラン・ムーアは、外界に顕現するような魔術…

ゲイリー・ムーア

最近よく街なかでゲイリー・ムーアのパリの散歩道がかかってるなあ、いいセンスしてるなーと思ってたら、ソチ金メダリスト羽生選手の使用曲だったのか。世事に疎いもので、まったく知らなかった。いい趣味してるわー若いのに。ところで街なかで流れていたの…

ムーアつながり

ついイラッとしてアラン・ムーアのアメコミを買い込んだから、しばらくあの濃密な、神秘主義的、魔術的ながらも、凜とした論理を一本貫き通している世界に浸れそうだ。新作情報が出てるし、アラン・ムーアは日本で一定の人気を得たのだろう。たのしみである…

前田利鎌 臨済・荘子

日本のアウトサイダー的著作かな。臨済と荘子その他の、著者の考える宗教的人間――つまりは自由人の生き様を、清冽で力強い言葉の数々で明かしていく。軽々と人の世を超えて自由へと至る彼らの魅力的な――悪魔的な哄笑の数々が眼前に蘇ってくる。この人語を絶…

ウェーイ

陶淵明全集はずいぶん前に買ったものだが、今あらためて読むとぐっと親近感がわいてきて、より深く味わえるようになったように思う。老荘的な人物かと思っていたが、そういう隠者の暮らしのかげに隠れて、かれの激しい気質やユーモアもうかがえる。官職につ…

福永光司

福永光司訳解の「荘子」が復刊していた。ぜひ買いたいが、これまたえらく高いなー。ほかにも訳注の人がいるのは、たぶん最新の荘子研究結果を反映させているのだろうと思う。たしか荘子のより古い文献が発掘されたとかで話題になってたし。荘子自体を読みた…

コリン・ウィルソン追悼読書

去年暮れにコリン・ウィルソンが亡くなっていたことを今ごろになって知る。ちょうど今、彼の自伝「発端への旅」を読んでいて、それが予想以上におもしろく、そしてまた大いに共感し、このつまらぬ日常を生き、働くはげみにしている。かれの著書がなかったら…

デュメジルぶしゃー

値段が高騰しているデュメジルコレクションが図書館に全部そろってたぜ。 ただこういう難しいのは借りて読んでもすぐに期限が来てぜんぶ読めないんだよな〜。

kobo miniも購入しておく

なんともう販売終了とは。 gloだと微妙にポケットに入らない大きさだから、miniも一応買ってみようかね。 スキマ時間にさっと取り出して読めるだろうから読書がさらに捗りそうだ。追記: 手に入れた。文庫本より小さい。手帳の片方にマジックテープで留めて…

ジャック・ヴァンス追悼特集号

一番面白かったのはマグナス・リドルフ物と呼ばれる、痩せぎすの老哲学者が主役のSF短編「暗黒神降臨」かな。この慇懃無礼で皮肉屋のキャラはG.R.R.マーティンの方舟シリーズのタフと似てるな、このリドルフに影響されてるのかなーと思って読んでいたら、あ…

フィリップ・ホセ・ファーマー/リバーワールドシリーズ

一種の漂流モノといったらいいだろうか。未知なる土地に放り出され、裸一貫で、おのれの知識とそこにあるものだけを頼りにサバイバルを繰り広げるという冒険物語は、いつだっておのれの本能を刺激し、わくわくさせられるものだ。古くはダニエル・デフォーの…

kobo glo購入

ねんがんの電子ペーパー端末を購入したぞ。中古だけど。 いろいろ調べてみた結果、自炊本中心なら改造の盛んなKobo gloがよいらしい。 紙みたいに読めると評判だが、もちろん紙よりはコントラスト比が低く、少し暗くなると読めなくなる。ライトを付けること…

SFマガジン

今月号はジャック・ヴァンス追悼特集か。ひさびさに買うか。

流行音楽

今さらながら「黒い週末」でももクロZに完全にハマっちゃった。ブラック・サバスそのものというよりも(もちろん小仕掛け・意匠はブラック・サバスそのものなのだが)、ギターで参加してた人間椅子みたいな70年代ブリティッシュ・ハードロックの見事な現代的…

読書メモ

・世界の歴史17 ヨーロッパ近世の開花 全体的には文句ないんだが、細かいところでは、ん?本当か?みたいなエピソードがあった。気になったのは、長篠の戦い(1575)での織田信長の業績がヨーロッパのブライテンフェルトの戦い(1631) に先んじて斉射戦術を行…

読書メモ

・ウィリアム・ギブスン「ニューロマンサー」。初めて読んだ当時は、電脳世界の描写がわけが分からなくておっぽりだしていたが、二度目に挑戦すると案外すんなり読めた。たぶんいろいろなところで、ギブスンに影響されたサイバーパンクの映像群を目にするこ…

三十年戦争びより

皆川博子「聖餐城」を読む。ドイツ三十年戦争を舞台にした骨太の歴史小説である。グリンメルスハウゼンの阿呆物語を読み終わって、現代人の視点から三十年戦争を描いた小説はないかと探していたら、かの幻想文学の大家、皆川博子が書いていると知って、小躍…

愛用品 乾電池WINCE製品 SHARP BRAIN

結局、カシオペアのパームサイズPC、E-65があっさり壊れてしまった。青空文庫にウィキペディアと活躍していた乾電池で動くWINCE製品だったが、いかんせん古くて調子が悪く、とうとう起動しなくなってしまった。ということで別の乾電池製品を探っていたら、い…

ゲド戦記

ゲド戦記を小学生以来ぐらいに読み直した。この小説をはじめて読んだ時にかんじた、あのどうしようもない恐怖は、こちらがいくら年を重ねても変わらぬ衝撃で蘇ってくる。霧を呼び寄せて敵を撃退するゲドに、共感というよりは恐怖をおぼえ、学院の中で増長す…

阿呆物語

上巻が絶版になっていたグリンメルスハウゼンの阿呆物語が復刊ドットコムに在庫が残っていたので、憂鬱が抜けないながらも、狂喜して小躍りしながら注文した。はたして本当に在庫が残っているんだろうか……。心配だ。ルネッサンスの時代の傭兵に興味がある人…

武器店とナイトワールドサイクル

ヴォークトの武器店シリーズおもろい。既視感があるタイトルだったのはF・ポール・ウィルスンの始末屋ジャックにイシャーって出てくんのね。ファンなんだろうね。ウィルスンのナイトワールドサイクルも激面白いのでおすすめ。古き良きパルプフィクションの要…

神から人へと回帰する、あらたなる英雄神話譚――――クリストファー・ノーラン監督「ダークナイト・ライジング」

ようやく見に行ったので自分用メモ。一応ネタバレ注意。 ノーラン・バットマン三部作の掉尾を飾るこの映画。あのダークナイトの続きということで、どのように最後を締めくくるのかが気になっていた。結論からいうと、クライム・ノワールとヒロイック・サーガ…

ポップなギタリスト特集

Journeyのニール・ショーン、元Danger Dangerのアンディ・ティモンズ、元Triumphのリック・エメット、肩書きなしのニール・ザザ、日本でいえばTUBEの春畑道哉などが優れたギター・インストのアルバムを出している。複雑な曲構成を持つわけでもなく超絶技巧を…

Mark Freeのソロ「LONG WAY FROM LOVE」

カーマイン・アピスが結成したLAメタルバンド、キング・コブラの元Vo、Mark Freeのソロ「LONG WAY FROM LOVE」を聴く。良質のアメリカンAORである。ハスキーなハイトーンボイスが素晴らしい。この人、実は性転換したらしく現在はMarcie Freeと改名して活動…

易経と高い城の男ごっこ

なぜかおもしろいな、と思って読んでいる。 筮竹をじゃらじゃらならして占うやつである。 さすが長い歴史を持つだけあって、内容はかなり深遠で哲学的だ。孔子はもしあと50年生きられるなら占い(易)の研究にすべて費やすだろう、と言っていたとかいないと…

創造力の源泉――スティーヴン・ラバージ「明晰夢 夢見の技法」

夜が来た いま、すべての湧き出づる泉は、その声を高め わが魂もまた、湧き出づる泉となる ――フリードリヒ・ニーチェ(うろ覚え名言より) 脳科学が進歩し、夢の機能的な側面についても、おおまかなところがわかってきたそうな。特に明晰夢についての研究が…

民族音楽とロック

ケルト音楽をもとにしたポップスといえばエンヤであるが、ロリーナ・マッケニットもすばらしい。エンヤはシンセサイザーで現代的な味付けがされているが、こちらは生楽器を用いているためか、より民族音楽的である。ずっとまえにこの人のアルバムを注文した…

リアリズムなどくそくらえ!根源にせまる物語――中村融訳 リン・カーター「ファンタジーの歴史」

なぜわれわれはファンタジーを読むのか? ほんとうはわからない。ほんとうは気にしない。わかっているのは、次のような語句に出会うと、わたしの内部で何かが目をさまし、ぞくぞくして、反応するということだけだ――「タナール丘陵の彼方のオオス=ナルガイの…

日記日記日記キーーキーーーー

今日はすさまじい日だった。生涯忘れない日となるだろう。 いわゆる革命というやつである。とはいえ私の日常が変わることはない。 ならばなにが革命だ、と問う人がいるかもしれない。 もしくは私を八つ裂きにしたいと彼もしくは彼女が狂人の叫び声を上げつつ…

そだ、旅よう、旅にうにでだ

旅に出よう。 そう思いたち、あまつさえ実行してしまったのがいけなかった。 それはともかく、またもいろいろな事があった。 たとえば、鏡である。旅行に行く前、きれいに拭いておいたはずの鏡が、指紋だらけになり非常に汚れていたのである。私は憤慨した。…